この記事では、
- 全身麻酔から目覚めた直後の状態
- 鼻ガーゼ生活3日間のリアル
- 術後の痛み・乾燥・口呼吸
- ガーゼ抜去のリアルな感覚
- 術後に初めて鼻呼吸した瞬間
- 退院までの流れ
を、看護師である自分が“患者側”として体験した視点でまとめています。
前回の記事では、入院〜手術室に入るまでを書きました。→入院〜手術当日の体験談
今回の記事は、「手術の後に目が覚めた瞬間~退院」
これから鼻の手術を受ける人が、術後のイメージを少しでも持てるように、かなりリアルに書いていきます。
【私の診断名と手術内容】
■ 病名
・鼻中隔弯曲症
・肥厚性鼻炎
・右上顎洞炎
■ 手術
・鼻中隔矯正術
・両下鼻甲介切除
・副鼻腔手術
全身麻酔から目覚めた直後
気づいたら全部終わっていた
気がつくと、ベッドに寝ている。さっきまで手術台の上で、麻酔を入れられていたのに。
感覚としては、「よく寝たな」そんな感じ。でも同時に、手術が終わったこともすぐ理解できた。
場所は、手術室の隣の回復室。
術前に説明されていた、
- 呼吸を助けるための管
- 人工呼吸器
については、完全に記憶なし。本当に、気づいたら全部終わっていた。
術後すぐの状態
術後すぐの症状はこんな感じ。
- 痛みなし
- 吐き気なし
- 鼻に大量のガーゼが詰まっている感覚
- 完全に口呼吸
- とにかく口と喉が乾く
術後は「痛い」「気持ち悪い」を覚悟していたので、かなり拍子抜けだった。
鼻にガーゼは詰まっているものの、それ以外は何ともない。
なぜか少しハイテンションで看護師さんに話しかけていた。
看護師さんに時間を聞いたりしていると、「しっかり覚醒してますね。普通はもっとドロドロなんですけど」と言われる。
『ドロドロ』というのは、麻酔がまだ残っていて、
- ぼーっとしている
- 反応が鈍い
- 会話が成立しにくい
みたいな状態のこと。
自分は意外とハッキリしていたらしい。
しかも普通に腹が減っていた。
術後1時間、回復室で過ごしてから病室に移動になった。覚醒してから15分程(体感的に)だった。
病棟へ戻ってからのリアル
まず感じたのは「乾燥」「つばの飲み込むときの不快感」
病棟へ戻ると、バイタルサイン測定をされる。
- 酸素マスク
- 鼻ガーゼ
- 点滴
という状態。心電図モニターは外れてる。
術後3時間はベッド上安静。
この時点では、痛みよりも、「のどの乾燥」「つばの飲み込むときの不快感」。これが圧倒的につらい。
鼻が完全閉塞しているので、呼吸は100%口呼吸。口の中がずっとカラカラ。
唾を飲み込むのも苦しい。鼻の奥が張り付く感じがある。かなり不快。
ただ、自分は元々鼻づまり人間だったので、
「まあ、口呼吸は慣れてる」という妙なアドバンテージがあった。
血が垂れてきて焦る

病室に戻って15分程経過した時、右鼻の奥が「ビクッ」とした瞬間、
血が顔を伝う。
ちょっと焦ってナースコール。
結果、「綿球を入れ忘れてました」だった。鼻の入り口に綿球追加で終了。
術後は、鼻の奥のガーゼとは別に、入り口に綿球を詰める。
この綿球が血で汚れたら自分で交換する。
その為、綿球をちょうどいい大きさに「ちぎる」作業が退院まで続いた。
なお、奥のガーゼは絶対触るなと強めに説明された。
実際、自分で抜いてしまった人がいるらしい。
自分も寝ている間に、無意識に抜いてしまわない不安。
でも、のちに分かる。鼻の奥のガーゼを抜く時の恐怖を。絶対自分では抜けない。
喉に“軟骨”が落ちてきた
しばらくして、「なんか喉に硬いもの落ちてきた?」という感覚。
私の中の看護師が、飲み込まない方がいいと反応する。
ティッシュに出してみると、白っぽい塊が。いや怖い。
ナースコールをして「こんなん出ましたけど」と白っぽい塊を見せる。
看護師さんも、「初めて見ました…」って反応。
私の頭の中で『バリアンス(治療の計画から外れる事:トラブル)と言う言葉がよぎる』
その後、主治医が来て説明。
どうやら、削った軟骨の一部だったらしい。
「基本回収してるんですけど、少し残ってたんだと思います」とのこと。問題ないらしい。
なお看護師さん、「お返ししますね。あなたの物なので。」
返ってくるんかいっ。よし、家族に見せびらかすぞ。
トイレ事情
- 手術後、3時間はベッドから起きれない
- おしっこの管を入れていない
- もし、尿や便をしたくなったら尿器やベッド上での便器となる
以上のことから、不安でした。
そんな不安をよそに、気づいたら3時間経っていました。
3時間後、看護師さんに見守られながらトイレまで歩いてみる。問題なく歩行できてトイレまで歩く許可が出ました。
術後3時間は水も飲めない
水分も術後3時間から飲むことが出来ました。
これも最初は看護師さんに見守られながら、1口飲む。ちゃんと飲めたら自分で飲んで良し。
『ペットボトルキャップストロー』みたいなグッズを持って行ったのは大正解。手術後の体には飲みやすかった。
ただ、やはり唾を飲み込む不快感と同様。お茶も飲みこみずらい。1口ずつゆっくりしか飲めない。
でも喉はカラカラ。ゆっくりゆっくり時間をかけて水分摂取。
鼻ガーゼ生活3日間が地味につらい
3日間、鼻呼吸ゼロ
今回、鼻の奥のガーゼが抜けたのは術後3日目だった。
つまり、3日間ずっと鼻呼吸不可。
これが想像以上に長い。夜は特につらい。
眠れない。でも完全徹夜でもない
夜は、
- 口が乾く
- 唾が溜まる
- 苦しくて起きる
これの繰り返し。1時間おきくらいに起きる。
でも不思議と、「一睡もできなかった」って感じではない。
ウトウトを繰り返している感じ。入院中は朝食後に眠気に襲われ、昼前までウトウトする生活でした。
口臭より“ネバつき”が気になる
口臭は、自分ではそこまで気にならなかった。
それより、「口の中のネバネバ感」。これが強い。
しかも、うがいもしにくい。
鼻の奥にガーゼが詰まっているせいで、うがいの水が、鼻側へ少し逆流する感じがある。
さらに、喉側から少し吸うと、血が出てくる。
でも不思議と、血の味はほぼ感じなかった。
これ、もし血の味が強かったら、かなり気持ち悪かったと思う。
鼻声+口呼吸で会話がしんどい
ガーゼを付けているため、完全鼻声。
しかも口呼吸しかできないので、長く話すのもしんどい。
面会に来てもらっても、「元気に雑談」…みたいな感じではなかった。
涙が勝手に出てくる
術後、なぜか涙がよく出た。別に痛くて泣いてるわけじゃない。
たぶん鼻のガーゼの影響。鼻と涙ってつながってるんだなと実感した。
首が張る感じもあった
術後1日目。
左の首筋に、軽い張り感。
回診で聞くと、全身麻酔で呼吸用の管を入れる際、首を固定したりするため、その影響かもしれないとのこと。
2日ほどで自然に消失。
歯茎がムズムズする
なぜか歯茎がかゆい。痛いわけじゃない。
でも、「歯磨きサボった時の歯茎」みたいなムズムズ感。地味に気になる。
口呼吸と乾燥の影響なのか、手術の影響なのかは不明。
のちに歯ブラシで、歯茎をガシガシとやってしまう。
数日間、ヒリヒリする事に。おススメしません。
術後の食事は意外だった

病院食がめちゃくちゃ美味く感じる
手術の翌朝。
待望の朝食。丸一日食事をしなかったのは初めて。待ち遠しかった。
でも術後は鼻が詰まってるから、味なんて分からないと思っていた。
味噌汁を飲んだ瞬間、「あれ、めっちゃ出汁の味がわかる!うまい!」
口が乾ききっていたせいか、1日ぶりの食事だからか。
異常に美味しく感じた。
そして、朝食についてきたピルクル400に感動。甘さと冷たさが体に染みる。
ゼリーは食べやすい。でも本音はプリン食べたい
食事再開後は、
- ゼリー
- お菓子
なども食べていた。
特にゼリーは、さっぱりしていてかなり食べやすい。
ただ本音を言うと、めちゃくちゃプリン食べたかった。
術後の体って、甘いものを異常に欲するようだ。
点滴終了
手術翌日、食事が食べれたら点滴が終了。
しかしこれは24時間繋がっている点滴だけが終了、と言う事。
朝と夕方に投与する抗生剤の点滴は術後3日目まで続くため、点滴の針はそれまで入れたまま。
点滴の痛みはないが、固定しているテープで少しかゆみが出る。でも我慢できる程度。
術後3日目、ついに鼻ガーゼ抜去
ズルズル抜かれる感覚がかなり独特
術後3日目。
ついに、鼻の奥のガーゼ抜去。
ただし事前説明で「痛い人もいるので痛み止め飲みます」と。
ちょっと怖いが、手術の痛みもなかったし、ガーゼが抜けることが楽しみすぎて、油断してた。
処置室で、先生がガーゼを引っ張る。
ズルズルズルズルーーー。
長い。しかも血まみれ。
感覚としては、痛いというより、めちゃくちゃ気持ち悪い。鼻の穴から脳みそを引っ張り出された感覚。
これを両鼻。なんとか乗り切るも・・・
迷走神経反射でダウン
その後、鼻の中を内視鏡で確認し、状況の説明を聞いていた途中。
急に視界が暗くなる。気持ち悪い。冷や汗。
「フラフラします」と弱弱しい声で伝える。
「迷走神経反射だね」と医師が言う。
迷走神経反射とは、痛みや緊張などをきっかけに、一時的に血圧が下がって気分が悪くなる反応のこと。
今回はガーゼ抜去の刺激で起きたのかもしれない。
その場にいた男性看護師さんが迅速に、椅子を倒し寝かせてくれ、足を持ち上げてくれた。
血圧90台。手足も痺れる。初めての感覚。手を何かに締め付けられているみたい。
しばらくして回復。車椅子でベッドに戻りました。
正直、今回の入院で一番つらかった。
人生で初めて“本当の鼻呼吸”を知った
綿球の隙間から空気が入ってきた
ガーゼ抜去後。まだ鼻の入り口の綿球は入っている。
でも、その隙間から少しだけ空気が通る。
その瞬間。
「うわ、新鮮」
今まで、鼻呼吸できるのが当たり前じゃなかった。
だから、少し空気が通るだけで感動。
綿球を取った瞬間、革命が起きた
鼻血もおさまり綿球を外す。
息を吸う。
空気が、そのまま肺に入る。抵抗ゼロ。
口呼吸より楽に吸える。一吸いで酸素が足りる。
今まで自分、どれだけ狭い鼻で生きてたんだ。
主治医が言ってた、「元が0点」という言葉を思い出す。
これは確かに、別世界だった。
術後4日目退院
顔の腫れはほぼ気にならない
退院の朝、再度確認するが、鼻が少し腫れてる?くらい
見た目の変化はそこまで気にならなかった。
実は入院中、一度もシャワーに入れなかった
本来なら、鼻の奥のガーゼを抜いた日にシャワーの許可が出る予定だった。
しかし自分の場合、ガーゼ抜去時に迷走神経反射を起こしてしまったため、安全を優先して見送りに。
結果として、入院中は一度もシャワーを浴びられず、体拭きだけで過ごすことになった。
退院日には髪が完全にベタベタ。
ワックスを大量につけたような質感になっていて、鏡を見るたびに気になった。
正直、鼻よりも早く頭を洗いたかった。
退院して家に着いたら、まず最初にやったのはシャワーだった。
久々の外の空気がうますぎる
退院時、ふらつきはなし。会計を済ませ、病院の外へ。
外の空気を吸った瞬間、「うわ、空気うま」。
鼻で空気を吸えたせいか、1週間外に出られなかったせいか。
入院費用はいくらだった?
実際の支払いは約9万円だった
退院時に精算機で会計。
今回の入院・手術費用は、保険適用前で約90万円だった。
正直、金額を見た瞬間は驚いた。ただし実際に支払った金額は約9万円。
入院時にマイナンバーカードを提示していたため、高額療養費制度が適用されていた。
特別な手続きや申請書類を準備した記憶はなく、自分の場合はマイナンバーカードを提出しただけだった。
そのおかげで、最初から自己負担限度額での支払いになった。
※制度や条件は変更される可能性があるため、詳細は加入している健康保険へ確認してください。
医療保険は19万円給付
さらに加入していた医療保険からは、
・入院給付金
・手術給付金
あわせて約19万円の保険金が支払われた。
結果として、
医療費:約9万円
保険金:約19万円
となり、自己負担分は十分カバーできた。医療保険に入っていて助かったと感じた瞬間だった。
もちろん保険料を長年支払っているので単純に得したとは言えないが、今回のような入院手術では安心材料になった。
退院後の注意点
鼻うがい開始
退院後から鼻うがいするように看護師さんから説明された。
鼻うがいする注射器などの物品は、売店で購入するように言われたが、自宅に市販の鼻うがいセットがある事を伝えると、容器はそれでも良いと。
自分は元々サイナスリンスを使用していたので、それを使う。
ただし、洗浄液は病院指示通りに作ってと。
鼻うがいは、正しくやれば全然痛くない。
むしろ、血の塊や鼻水が出るとスッキリする。
ただ、血が苦手な人は少し衝撃かもしれない。
退院後もしばらく禁止事項あり
医師から言われたこと。
- 鼻を強くかまない
- 鼻をすするの禁止
- 長風呂禁止
- 鼻血が15分以上止まらなければ受診
完全復活までは、まだ少しかかる。
まとめ
鼻の手術。
やる前はかなり怖かった。
でも実際やってみると、
- 想像より痛みは少ない
- ただし乾燥はかなりつらい
- 鼻ガーゼ3日間は地味にキツい
- ガーゼ抜去はかなり独特
そして何より、鼻呼吸できる感動がすごい。
「鼻で息できるって、こんな楽なのか」
これを初めて知った。
正直に言うと、ガーゼ生活3日間はつらかった。口の乾燥もつらい。ガーゼ抜去も決して楽ではない。
それでも今、「手術を受ける前に戻りたいか?」と聞かれたら、答えは間違いなくNO。
鼻呼吸が当たり前にできる生活は、それ以上の価値があった。
「手術やってよかった」、それは間違いない!
手術を受けるか悩んでいる人の参考になれば嬉しい。
次は、退院後の経過や、
仕事復帰後のリアルについて書いていこうと思う。



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