こんにちは。ぽんこつナースぎょとらです。
少しずつ一緒に勉強して看護の知識を身に着けていきたいと考えておる訳です。
早速ですが、
申し送りの時に、こんなやりとりをした経験がありますか?
37.8度の熱がありました。症状はないので様子を見ています。
ちゃんとクーリングした?
今すぐしてきます!!
ぎょとらも新人時代にこのやりとりを経験しました。
しかし、本当にそのクーリングは必要なのか?
『発熱=クーリング』と考えている先輩看護師は今でも多いです。ぎょとらもその一人でした。
実は熱があるからと、クーリングするのは間違っていることもあります。
クーリングは看護師をしていて毎日のように出会うので一緒に復習しましょう。
クーリングの目的
皮膚表面に寒冷刺激を与えることで、急性疼痛の緩和、急性炎症の緩和、止血、熱の拡散などの効果があります。
最近の研究では、発熱時のクーリングの解熱効果は根拠が不明と言われています。しかしクーリングで安楽を得られる患者がいることも事実なのです。
つまり発熱時には、積極的に解熱を図る目的でなく、安楽を主の目的としている、と言う訳です。
クーリングの目的 |
・急性疼痛、急性炎症の緩和 |
・止血 |
・体温調整機構の障害時の熱の拡散 |
・発熱時の安楽 |
体温が上昇している原因をアセスメントし、クーリングが必要かどうか考える必要があるのです。
感染と熱中症ではクーリングの目的が異なるという訳です。
熱の種類によるクーリングの必要性
まず知っておくことは、
体温が平熱より上昇していることを高体温と言う
そして高体温は発熱、うつ熱、その他に分けられると言うこと!
発熱のクーリングは安楽目的
細菌やアレルギーなどによる炎症反応(生体の防御機能)のため、平熱より1℃以上高くなった場合を発熱と言います。
感染やアレルギー反応が起こると、体が体温の設定温度(セットポイント)をあげます↑
すると骨格筋を収縮させ、セットポイントまで体温を上げようとしてシバリングが起きます。
シバリング中はクーリングは禁忌であり、この時は保温をすべきです
体温がセットポイントまで上がり切った時に、必要であれば安楽目的でクーリングを行います。
うつ熱のクーリング
うつ熱とは、熱中症や脳血管障害などで体温調整機能の低下により、体温が上昇することです。
この場合はクーリングの有効性はあるため、体表面の近くに動脈がある、頚部・腋窩や鼠径へクーリングを行います。
クーリングの注意事項
意識障害や知覚鈍麻がある患者では凍傷や褥瘡に注意が必要であり、看護師が継続して観察できない場合は実施しないようにしましょう。
また自分で氷枕を動かすことができない患者では、クーリングが不快になっても動かすことができず、逆に安楽を阻害してしまうこともあるので注意しましょう。
また背部へのクーリングは広範囲に冷やすことができるが、太い血管が近くにないため解熱効果は少なく、自力で体位変換できない患者では凍傷や褥瘡のリスクが高いので、温度や時間を配慮しましょう。
クーリングに注意が必要な患者 |
・意識障害、知覚鈍麻、麻痺がある患者 |
・皮膚が脆弱な患者 |
・知覚が低下している患者(高齢者など) |
最後に、張り切って申し送りにチャレンジ!
いままでのことをふまえて、先輩に申し送りをしてみよう!
午前中にシバリングがあり、布団を1枚増やしてで保温しました。38.5度まで上がりましたが、発汗して37.8度まで解熱しました。患者さんの希望に合わせて、安楽目的でクーリングを行いました。
はい、わかりました。
・・・あ、はい。
思ったより、先輩は素っ気無かったですね・・・
先輩にとって、張り切って報告するまでの内容ではないようですが、
今回この記事を読んで、『熱=クーリング』という方程式を考え直す機会になってくれれば幸いです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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