ACPという言葉を最近よく聞くようになりました。
しかしACPって何をしたらいいの?と思っている看護師は多いと思います。
この記事ではACPにおける基本的な看護師の役割とそのポイントを解説します。
この記事を読んで少しでも理解を深めて、患者さん、利用者さんの力になりましょう。
ACPにおける看護師の役割
ACPにおける看護師の役割は
『患者・利用者の希望するその人らしい過ごし方』を患者・利用者と共に考え、明確化すること
だと考えます。
ACP(アドバンス・ケア・プランニング)の定義から復習すると、
「今後の治療・療養について患者・家族と医療従事者があらかじめ話し合う自発的なプロセス」(厚生労働省サイトより引用)とあります。
これは、人生の最終段階において、患者・利用者の希望するその人らしい過ごし方を尊重し、医療介護従事者で共有し、サポートすることです。
つまり、『患者・利用者の希望するその人らしい過ごし方』を患者・利用者と共に、明確化することがスタートであり最重要事項となるです。
ACPという考え方は、まだ広まっていないのが現状で、人生の最終段階で、どのように過ごしたいかが明確になっている人は少ないです。
そのため看護師が持つ専門的な知識に加え、意図的に情報を集め整理し、患者・利用が自分自身の価値観に気づけるようにサポートする技術が、必要になります。
価値感の明確化をサポートする5つのポイント
①時間をかけて行う
急変時の対応などとは違い、患者・利用者の思いを時間をかけて見つけ出す必要があります。
出会ってすぐの人に、自分の本音を言えるでしょうか?
人間関係が築けたときに、本当の思いは出てくるものだと思います。
日頃から傾聴、共感の姿勢を意識しましょう。
②話すタイミング考える
患者・利用者が落ち着いて考え、答えられるときに、『思い』を聞くこと。
以前わたしの勤めていた病院では、入院したときに聞いていました。
入院して処置を受けて、ICを聞いて、病状が不安定で、今後の治療への不安あり、家族のことやお金の心配もある中で、
人生の最終段階なんて話をされても、そこまで頭は回りません。
- 在宅での訪問系ケア時
- 外来通院時
- 入院中でも病状が落ち着き退院の目処がたった時
上記のような場面なら、患者・利用者も考え、答えやすいでしょう。
③何気ない会話からも大事な思い
日頃の何気ない会話でも、好きな食事、趣味、家族への思いなど、大切にしているものや考えが聞けることがあります。
以前入院していた患者で、こけしの顔のついた『孫の手』を大事にしている患者がいました。
家族に何気なくそのことを話すと「孫の手の顔が本人にそっくりで、本人も家族も大事にしています。」と答えが返ってきました。
もし孫の手を、使わないし邪魔だと思い片付けてしまっていたら、、、
これも大事な情報だと思います。患者のひとつの価値観を見つけた一幕でした。
④話す人によって言いにくことも
患者・利用者の中には特定の人の前では本当の思いを話しにくい方もいます。
- 最後の時は自宅で過ごしたいけど、家族の負担になるから言えない
- 医師の治療を否定してると思われたくない
- 看護師や介護士に手間をかけさせたくない
こんな思いがあるかも知れません。
そのことを理解し本人の気持ちを尊重し、対応しましょう。
⑤患者・利用者を中心としたチームである
患者・利用者の思いは、プライマリー看護師一人では聞くことはできません。
医師、薬剤師、リハビリスタッフ、介護士、ケアマネ、薬剤師など様々な職種のスタッフの協力が不可欠です。
カンファレンスを行ったり、それ以外でも情報共有し、チームで関わるようにようにしましょう。新しい情報が見つかる筈です。
そして、何よりチームの中心は患者・利用者であること。
医療介護従事者だけの憶測にならず、集めた情報から患者・利用が自分の気持ちに気づくことが重要です。
まとめ
以上が、ACPにおける看護師の役割です。看護師だけでなく全ての職種にも言えることだと思います。
患者・利用者の本当の思いを知ることができたら、少しでも穏やかな人生の最終段階を過ごすことができると思います。
実践するのことは難しいですが、人の人生を尊重する気持ちを大事に取り組みましょう。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
それでは明日からもそれぞれの持ち場で奮闘しましょう。
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